「なので」と一致するもの

2010年8月25日

中国でできることとできないこと

仕事で北京に行ってました。2週間ほど。海外旅行なんて1回しか行ったことがなく、いきなり2週間というVISAナシギリギリの滞在をするというのはどうなんだと思ってましたが、何とかなりました。

中国は政策として様々な情報が遮断されているのは皆さんご存じの通り。おそらく調べれば出てくると思うんですが、僕が現地で確認した限りの使えるサービスと使えないサービスについて書かせていただきます。

まずはドメインが.com系。YouTubeはダメですしDropBoxもダメ。普段DropBoxでファイルの同期をやったりしている人にとって、突然使えなくなるのはとてもつらいです。出国前にデータの同期を済ませておくようにしましょう。
gmailは意外といけました。ウチは個人アドレスも会社のアドレスも携帯のアドレスさえもgoogleを使っているので、遮断されたらそのまま長江にでも飛び込もうかと思ってたんですが、受信できてよかったです。ただし、GoogleDocs、Google Images、動画検索は使えません。
AppStore、mobileMe、Adobeのオンラインアップデートもダメでした。

ドメインが.comなブログサービスはアウトでした。fc2.comやcocologまでもアウト。ブログじゃないんですがasahi.comはアクセスできました。.jp系のドメインはだいたいいけました。ただし、ドメインがOKでもHTMLの内容を解析され、問題があればダウンロードができなくなります。あと、画像は信頼できるドメインからのもの以外はすべて遮断されます。つまり、ライブドアブログを利用してるコピペブログなどを見ていると、本文は画像がすべて表示されず、でもアフィリエイトリンクは信頼できるドメインと見られているので画像が表示されるという、おかしな現象が起きてました。

Twitterは本家やhootsuiteともにアウトです。現地の人たちは大波とかそういう中継サービスを使ってるようです。

なお、これら信頼できるドメインかそうでないかはFTPなどにも適用されているみたいです。 困ったことにファイルの転送の最後の手段であるFTPが遮断されてしまうのは相当つらいので、仕事などでファイルのアップロードが必要な人は、なんとかして現地から接続可能か確認しておかないと、出国した瞬間に仕事ができなくなってしまいます。

SkypeやWindows Live Messengerは普通に使えます。ただし、話に寄れば検閲が間に入っているそうな。テキストやファイルのやりとりも普通に可能。音声や映像はなにやら制限がかかることがあるみたいです。

これらの制限を回避する方法としては、日本にサーバーを一つ立てておいてVPN接続する方法が有効なようです。実際に中国のオフィスでは国外のサーバーへVPN接続しているところがあるようです。
今回僕はサーバーはあったんですがVPNの設定を済ませる暇がなく、半日ほど東京とまともにデータがやりとりできなくて困ってたんですが、世話になってたオフィスの回線を借りて、上記使えないサービスを有効化することができました。ただ、ホテルとかだとどうしても無理なので、長期とか頻繁に中国に行く人は自前でVPN接続できるような環境を持っておくと便利かも知れないです。

ソフトバンクの海外パケットし放題は、休日だけ利用しました。Google Mapsが使いまくれるのは本当に便利。ソフトバンクのページでは「キャリアは自動設定で問題ない」とされていますが、北京の中心部では指定のCHINA UNICOMではなくCHINA MOBILEにつなぎに行くことが頻繁に起きてしまい(この場合、SMSでパケットし放題対象外と通知されます)、結局手動で設定しました。CHINA UNICOMにつないでるときのキャリア表示は「中国联通」で、CHINA MOBILEの時は「中国移動」です。わかりにくいので注意。

以上が通信系で気がついたことでした。文化やみんなが気になるコピー天国具合については別記事で書きます。

2010年6月18日

iPhone/iPad開発をこれから始める人へ、8冊ぐらい本を買ってみたのでレビューしてみる

iPhone開発をやるよーって言ってから1年。全く進化してないです。世にあるiPhone開発本は、C言語等を習得している人を対象としたものが多く、僕のようなECMAばかり書いてる人からするとちょっと敷居が高いんです。というか、たちの悪い方言を聞いてるみたいで、まったく頭に入ってこない。集中してやる時間がないってのもあるんですけど。

しかしまぁ、会社を作ってご飯を食べていきましょう!ってなると、iPhoneアプリを売ってみようって話にどうしてもなるわけです。なので今も歯を食いしばりながら、馴れないObjective-Cに馴れようとしてるところです。

とりあえず、関心だけはめっぽうあるので、店頭で気になった書籍をいろいろ買っているわけですが、何となくどの本も同じ事を書いている気がするので、今持っている8冊をレビューします。んで、どういう風にそれぞれの書籍を組み合わせていくか、そのあたりも書いてみたいと思います。

対象者は、C言語もしらない、ActionScriptやJavaScriptをちょっとやるぐらいの人。オブジェクト指向はたぶんわかってる。ではスタート。

−導入部

iPhone開発の流れをまず知る必要がありますよね。Flash開発をやるなら、Adobe Flashの本を買ってくるような、そんな気持ちで用意したいのがこの1冊。


"基礎からのiPhone SDK 改訂版" (鶴薗 賢吾)

すべてを網羅してるわけじゃないです。必要な部分をかいつまんで最低限解説。というノリ。しかしながらこれ一冊を読破して理解すれば、たいていのアプリは作れるようになってくるんじゃないかと思います。図版も豊富。
ポイントとしては、面倒くさがらずにチュートリアルを一つ一つこなしていくこと。

ある程度複雑なアプリを開発するようになってくると、XCodeベースだと追いつかない場合があります。もっとこう、動的にぶちかましたいっていう希望を叶えてくれるのがこの1冊。


"iPhone デベロッパーズ クックブック" (Erica Sadun)

かなり古い書籍。初期の頃の定番としてよく挙げられてた一冊でありますが、初心者向けではない。ある程度開発の流れがわかってきた人なら役に立つ部類です。それぞれのコンポーネントを詳しく解説してくれてもいます。所謂XCode使わない系の書籍としてはオライリーのiPhone SDK アプリケーション開発ガイドもよいかなと。

ソースが読めるようになるために

Objective-Cのソースは難読。といっても、これは僕の主観ですが、ECMA的に見ると「えっと、関数名がこれで、返り値がこれで、引数は…」と毎回毎回脳内コンバートを繰り返している始末。才能ないのかもしれない。
ということで、iPhone SDKに関わらずObjective-Cを理解するために使っているのがこの1冊。


たのしいCocoaプログラミング

始めに言っておくと、書籍名に「たのしい」とか書かれてしまうと、いつぞやのRubyブームを彷彿とさせるんですが、著者がカジュアルさを全面に引き出すための工夫なのか、ずっと口語体で語られます。これがちょっとつらい。
「たとえば、この関数を実行したい場合、必要な値はこれだと書かれているのだから、呼び出すときに一緒に渡してあげる必要があるんだ。」こんなノリでずっと続く。
基礎からのiPhone SDKでもObjective-Cの記法について触れられているけど、補助的にこの本を使っておけばいいと思う。

そしてさらに突き進む人にはこの1冊。


詳解 Objective-C 2.0

色からしてデキそうな印象。ある程度アプリはくめたけど、なんかこう、負荷を押さえたいんだよなーとか、もっとこう、エレガントに書けたらなーとか。プログラマーとしてのこだわりをしっかり昇華させるのに使いたい。ので、初心者と銘打ってる間はいらないと思う。高いし。でも置いてても損はないよ。合わせて逆引きObjective-Cも持ってるといいと思う。「あーしたいこーしたい」という希望をObjective-Cに置き換えて説明してくれる。でも初心者のうちは持ってても混乱するだけだと思う。クラスの実装とか知らないうちから逆引きしても意味がないでしょ?

−発展系

ある程度アプリもかけて、ソースも読めるようになってきた。次は自分のアイデアを以下に組み込んでいくか、そんなフェーズになってきます。クリエイターとしてのアイデアをいかにしてアプリに組み込んでいったのか、そんな思いをひしひしと感じられる1冊がこちら。


ユメみるiPhone

タイトルやデザインでちょっと損してる気がするのだけど、中身はまともです。ソースコードも出してくれているので、ここまでの書籍を読んできて理解しているなら、大丈夫でしょう。
アイデア主体の本なので、開発する訳じゃないけどって人にもお勧め。企画する人とかね。

なんと、ユメみるiPhoneの続編が出るらしい!その名も "iPhoneのオモチャ箱 iPhone SDKプログラミング" 。著者人も蒼々たるメンバー。これは期待。


"iPhoneのオモチャ箱 iPhone SDKプログラミング" (徳井 直生, 岡村 浩志, 笠谷 真也, 深津 貴之, 青木 太臣, 大宮 聡之, 瀬尾 浩二郎, バスケ, 宮川 義之)

さらに突っ込んだ、iPhoneアプリ ネットワーク+GPS プログラミングもなかなか濃いです。僕はこのあたりの書籍を発展系ってカテゴライズしているんですが、他にもiPhoneプログラミングUIKit詳解リファレンスってのもあります。これはいずれ買う。おそらくiPhone開発において、一番世話になるであろうUIKitを深く掘り下げた1冊です。

んで、iPad開発もやりたいんだけど、ってなったらこの1冊をどうぞ。


iPad プログラミングの作法

これ、読み物としてもなかなかいいです。リファレンスではないです。iPadではどう行ったUI設計をし、実装をしていくか、そうした場合のソースはどうなるのかってのをかいつまんで説明してくれています。初心者がこれを呼んでもまず実装できないです。書かれているサンプルコードを自分なりに置き換えて実装できるスキルを持ってる人むけ。iOS3.2から実装されたジェスチャや、iPhone/iPadのユニバーサルアプリの開発手法をいち早く紹介している書籍。
iPadアプリを企画する立場にいる人にも勧めたいです。

−ソースが丸々載っている書籍を買う時の注意

さっきも書いたのだけど、ソースが丸々載っているやつをそのままコピペしてアプリを作っていっても、あまり理解できないと思って、僕はソース丸々系の書籍にはまだ手をつけてない。ただ、ゲームを作る際とか、王道と言えるアルゴリズムをiPhone SDK的に解説してくれていたりするので、いずれは必要になるのかもしれないと思っている。
ソースをみれば理解が早まるって思っている人は、本を買うまえにAppleの公式サンプルソースを眺めた方がよっぽどいいと思うよ。
これと導入で紹介した4冊。これだけあればそこそこ作れる人になれると思ってる。

ただ、iPhoneの開発の流れをざっと知れて、定番アプリのソースをまるっと日本語で解説されている書籍を探しているなら、この1冊。


ライトウェイトプログラマのための iPhoneアプリ開発ガイド

レビューがさんざんだけど、いろんなソースコードをサクッと入手するにはいいんじゃないかなって思う。初心者向けではあるのだけど、やはりObjective-Cを詳しく解説する書籍と合わせて読むのがいいと思う。

で、結局今、どれを参考にしながら勉強してるかというと、この4冊がデスクに常備されている。

  1. 基礎からのiPhoneSDK 改訂版(最近は索引ばかり見てるけど、チュートリアルちゃんとやるようにしてる)
  2. iPad プログラミングの作法(軽いのでトイレとかに持ち込んだりして読む)
  3. iPhone デベロッパーズクックブック(色あせないエリカのテクニック)
  4. 詳解 Objective-C (このおまじないみたいな言葉の意味ってなんなのと気になるときに開く)

いろいろ面白いアプリを作って、Appleの広告とか店頭でアイコンが表示されたり、ついでに一杯儲かったりできるように、お互いがんばりましょう。Enjoy!

※ここで紹介してない書籍が悪だとか言うつもりはないです。もし、他にこれは参考になるぜって本があれば教えてください。著者の方の自薦もOKです。

2010年6月14日

iPadの充電中ではありませんに騙されてはいけない

iPadはMacやPCから充電することができない。否、高出力型のUSBポートがあれば、充電することができるらしいのだけど、2年ぐらいまえの古めのPCからだと電力が十分に供給されないため、iPadの表示が「充電中ではありません」になるのだ。

うちで使ってるMacはこの電力が十分に供給できない人だったので、充電するにはコンセントから、同期などではMacからといちいち差し替えていた。面倒。しかしあるとき、70%ほどまで減った状態のiPadをMacに接続していたら、充電が完了していることに気がついた。
気になったので実験してみた。

まず、ある程度電池が消耗したiPadを用意。残量は79%だった。

写真 (1)

そしてMacへ接続。「充電中ではありません」になった。

写真

しばらく置いて、確認。あれ?電池が満タンになってる?

写真 (2)

ケーブルを抜いてみたら、なんと100%に。

写真 (3)

これ、一時的な電圧上昇かなと思ってたのだけど、この後少し持ち歩いて使って、再び残量チェックしたら97%とかになってました。なので、一応微速ではあるが充電されているみたい。
なので「充電中ではありません」はまるっきり充電されない訳じゃないので、あまり気にする必要もないかなって思ったよ!

話によれば充電されないケースもあるみたい。気になる人は同期による接続中に充電されるかどうか、充電時間はどんなもんか試して見て、だめっぽかったらACから充電するかあきらめるかしようね!

2010年6月13日

iPadもiPhoneもMacBook Pro"17 も結局持ち歩いてる人の話

iPadがあればノートパソコンを持ち歩く必要はない。的な話をあちこちで聞くけれど、少なくとも僕は結局全部持ち歩いている。
iPadはiPhoneの代わりにはなり得ないし、その逆もまたそうだし、MacBook Proでしかできない仕事も日常にありふれているからだ。

今回は結局全部持ち歩いている立場から、それぞれのデバイスの使い道について考えてみたいと思う。

まず、僕が使っているMacBook Proはよくある15インチのものではなくて、17インチの巨大なバージョン。ちょうど昔いた会社をリストラ解雇されるタイミングで購入したもので、すっかり忘れているのだけどおそらく「外でも自宅と同じような作業環境を構築したい」という思いで17インチにしたのだと思う。
結果的にその選択は正しく、フリーランスになって大手町に通っていたときは、あちこちで動画の生成やFlashの制作や写真の取り込みなどに活躍してくれた。

次にiPhone。当初iPhoneには全く興味がなかったのだけど、とある携帯関係の仕事をしたときに2GのiPhoneを見せてもらって興味が湧き、3Gが出たときは「ソフトバンクだし」と無視してみたものの結局買い急ぐことになり、3GSが出たときには銀座アップルストアで予約者一番乗りを果たすという、超進化を成し遂げた。
iPhoneは電話としてはいろいろ寂しい部分があるのだけど、他人とのコミュニケーションをサポートするAppがいろいろ存在するので、今ではなくてはならないツールの一つとなっている。10年ぐらいドコモ(今持ってる端末はHT-03A)と付き合ってるけど、もういらないかなーでも仕事の電話はドコモにかかってくるからおいとくかなーって考えるぐらいにまでなってしまった。
iPhoneの各モデルを持っているのは、一応開発者としていたいから。難解なObjective-Cの悪夢を見続けているわけだが、手のひら上でおばかができるプログラム言語としてこれ以外に何があるんだろうってぐらいなので、Objective-Cはなんとしてでも習得したいと思っている。

そしてiPad。これほど使い道がわからないデバイスも珍しい。魔法のようなデバイスっていうが、魔法を使うのはiPadではなくて、ユーザー本人なわけで、ユーザーは自ら魔法を習得し、iPadを介して魔法が使えるようになる。というわけだ。iPhoneはどういう場面でどう使うかというシーンが容易に想像できた。携帯電話だもんね。iPadはそうは行かない。いきなり未来からデバイスが降ってきたような、そんな感覚。周りの人がどんな使い方をしているか、きっとみんな気になって仕方がないのだ。だからiPad記事の注目度は高い。
iPhoneのでかい版?いやちがう。そもそも電話ついてないし。 電子ブックリーダー?それもちがう。電子ブックはiPad上で動いているViewの一つに他ならない。そもそもPDF見るだけならiPhoneでいいじゃんと。

さて、そんなiPad。電話機能がないという段階で、iPhoneの代替にならないのはわかっていただけると思う。問題は、いろいろな方が言うように、ノートパソコンの代わりになるのかどうかってところだ。これは、その人がノートパソコンを何に使っているのかというところに注目しなければならない。
僕の場合、前述のように動画編集やFlashの制作に使っている。これをiPadで代替することはできないのだ。いつ何時やってくるかわからない仕事の依頼にすぐさま応えられるよう、MacBook Proは常に持ち歩いている必要があるのだ。なお、仕事に必要なデータはDropBoxで同期されているので、外出先でのファイルの更新は、すぐさま帰宅後に家のMacに反映される。
クリエイティブを生業とする人にとって、iPadはノートパソコンの代替になり得ないのがわかっていただけると思う。では、代替になり得るのはどんな職業か。それはライター業じゃないかと思っている。もちろん、他にもあると思うのだけど、ぱっと思いついたのがこれだ。(ライター業がクリエイティブじゃないというような議論ではないし、僕もそう思っていない。あくまでも分類の話。)

ライターの人は文章を書き、場合によっては写真を撮ってそれらをオンラインで共有する。iPadはこれらの機能を搭載しており、電波のある環境であれば、これらの作業を恐ろしくスマートに完結することができる。
ノートパソコンでももちろんできるのだけど、スマートさに欠けるのだ。想像してみて欲しい。iPadの場合、記事を書こうって思ったらどうするか。
1:カバンからさっと出す
2:ボタンを押して起動(1秒もかからない
3:記事を書く
4:写真を取り込む(Camera Connectin Kitがある
5:送信する(場合によっては自動で同期される

ノートパソコンの場合、ここまでうまくいかないと思う。さっと出せても起動には多少の時間がかかるし、データの送信までにはどれぐらいかかるだろう。
また、占有する面積についても考えないといけない。いくら小さいネットブックであったとしても、カフェのテーブルで広げるとどうなるだろう?それがiPadだったら?  

今までノートパソコンだと躊躇するような場所でも、iPadならさっと出してWEBを閲覧したり、プレゼンしたり、MTGしたりできてしまう。実際僕も、珉珉で餃子を食べながらWEBサイトのフレームワークを描いたり、ちょっとした調べ物をしたりするのに活用している。

そんなiPadにも難点がある。画面が見やすすぎるため、周りに見ているコンテンツがダダ漏れしているのだ。日本人の性格として、自分の世界に他人が乗り込んでくることを好ましく思わない傾向がある。電車内で雑誌を読んでいたりゲームをしていたりして、他の人からのぞき込まれるといい気はしないだろう。のぞき趣味はあるのに、のぞかれ趣味がないのだ。iPadは持ち前の大画面と高精細広視野角液晶で、情報はダダ漏れなのだ。メールもなにもかも。

よく電車でプライバシーマークを持っていそうな会社にいそうなインテリチックなサラリーマンが、会社支給のLet's noteを広げて、見積もりだとか何だとかのメールをやりとりしているシーンを見かける。よくクビにならないものだと思う。
カフェなどに行くと、明らかに何かのクリエイティブをしてる人を見かける。NDAとかどうなっているんだろうと聞いてみたくなる。iPadはノートパソコンよりもスマートに使える利点がある。これまで以上にあちこちでiPadを使う人が増えてくると考えると、これまで以上にダダ漏れする人が増えてくるという意味に繋がってくる。

僕も電車内でiPadを使うことがある。OmniGraffleを使ってチャートを描いたりとかするのだけど、限ってすいている車内で作業するようにしている。漏れてもどうでもいいコンテンツであれ、他人の目があるところでは、iPadはあまりにもでかすぎるのだ。満員電車になれば出すこともままならないと思う。

そんなときはもう、iPhoneでいいと思う。満員電車では新聞を小さくたたんで読むように、場所によっては取り出すデバイスの大きさを変えるのだ。これこそが、察しと思いやりというものだ。

また、iPadは情報を頻繁に発信するタイプのデバイスではないというのも付け加えたい。Twitterのようにつぶやきまくるような用途だったら、よっぽどiPhoneの方が向いている。iPadはどちらかというと、卓越した一覧性を持ったUIで提供される、情報表示デバイスのような使い方が向いている。ITmediaアプリがいい例だ。

最近、MacBook Proを毎日持ち歩く必要はないのではと思うようになった。たとえば、日帰りの撮影取材(都内)であったりすれば、緊急の対応があったとしても、自宅にすぐ帰れば済む話じゃないかと。降水確率のように、対応する可能性がどれぐらいあるか、高いのか低いのか、それによってMacBook Proを持って行くかどうかを決めるようにしている。MacBook Proを持ち歩かないときは、重さにして3kg強の軽量化がなされ「あー、今日は肩から内出血とかしなくて済むんだなー」と感動するのである。

ちなみに、外でクリエイティブをやるというスタイルについては一つ提案があるので、山のサイトでお知らせすると思う。

さて、こんな感じで僕は場所や環境によって3つのデバイスを使い分けるようになってきた。マザーベースが近くにあるのなら、たぶんiPadだけでメモも何も持たずに出かけてしまう自信もある。しかし、iPadはMacBook Proの代替にはなり得ないという考えに変わりはない。必要とあらば全部持ち歩くスタイルもこれまでと変わらずである。

2010年5月30日

iPadを買ったので1万円分ぐらいの有料アプリをいれた

お久しぶりです。社長ってなんか忙しいんですね。

iPad買いました。今月からライター稼業もやってる関係で、電車内でもゴリゴリ原稿かけるようにと、3G版を。で、たらふくデータを持ち歩けるようにと64GBにした。
購入してiPadで仕事ができるような環境を整えてみているのですが、とりあえず入れてみたアプリをここで紹介。ライティングに直接関係ない奴もあるけど、参考にどうぞ。

1:Pages

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Appleが出しているiWorkシリーズのワープロ。Mac版のPagesとファイルの互換性を持たせていて、単体で.doc形式とPDFへの変換が可能。.mac契約しているならiWork.comで書類のシェアまでもできてしまう充実っぷりで1200円。
ドキュメント制作ならPagesがあれば他はいらないんじゃないかと思うのだけど、ライティング稼業で原稿書くだけなら付属アプリのメモでいいと思う。Mail.appと同期されるし。

2:Numbers

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iWorkシリーズの表計算ソフト。これは使い出があるかどうかは別として、とりあえず入れてみた。グラフィカルな表を作りたいならこれ以外に選択肢はないのだけど、mac版のNumbersですらマクロが使えないという悲しい仕様なので、グラフを作ったりする以外で使い道がないかもしれない。
ただ、これもiWork.comでの書類の共有ができるところがメリットとして大きい。1200円。

3:Keynote

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iPadをプレゼン目的に使うならこれ。絶対これ。最近あまりプレゼンする機会に恵まれていないのだけど、今は早く誰かにプレゼンしたくて仕方がないぐらいにモチベーションを上げてくれるアプリ。買うべし。1200円。

4:Omni Graffle

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5800円もする鬼のようなアプリ。はじめに言っておくけど、現行バージョンの1.1は、日本語入力ができない。手書きでさささっとフレームワークを書いてみたり、サイトマップやフローチャートを作ったりと、今までMacを起動してごちゃごちゃやっていたのがばからしいぐらいに簡単にできる。Mac版Omni Graffleユーザーの優待はなし。独立したアプリだからねーっていう見解。
iPadの大きさなら、飲み屋のカウンターでプロトタイピングだってできちゃう。たまらんね。5800円。

5:iELECTRIBE

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発表以来音楽好きを熱狂させたアプリ。日本でiPadが出てない時から発売するもんだから、ホントに参った。悶々として過ごしてた。
ネット上では勃起部族と呼ばれているシリーズのリズムシーケンサーを移植。豊富なプリセットといじり甲斐のあるパラメーターで、永遠に音楽を奏でて時間を溶かすことができる。TUBE GAINをいじくると真空管の色が変わるとか、細かいギミックもあるね。
iPadはタッチセンスに対応していないので、むしろこういったシーケンサーの方がiPad向きだと思う。力強くかましたいところはACCENTをタップした後でアクセントしたいボタンをONにするだけ。時間を溶かす危険な要素を持っているのにこの価格、1200円。

6:Pocket Organ C3B3

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伝説的アプリ「Pocket Guitar」の作者である笠谷真也氏と「マネトロン」の作者である山崎潤一郎氏がコラボして開発した、ハモンドオルガンシミュレーター。山崎さんはお会いしたことがあるのだけど、アプリ開発者とは思えないほんわかしたおじさまでした。仕上がったこのアプリは山崎氏のヴィンテージ楽器への情熱と知識、そして笠谷氏のプログラムが見事に融合してます。たまらんです。
鍵盤は上下ぞれぞれに違った設定を行えるので、何となくセッションチックな事まで可能。ホワホワした独特の音を楽しみつつ、鍵盤が弾けなくったって、ちょっと触れてみるだけでハモンドオルガンの世界にトリップできます。350円。安い!

iPadアプリはiPhoneアプリに比べて総じて高めの価格設定。1000円超えてくるとちょっと使ってみようって気にはなれない。また、iPhoneみたいに普段使いしていく感じのアプリでもない。
今出回ってるiPadアプリは、開発者が実機がない環境で作っていたかもしれないので、UI的に成熟していない部分も散見される。iPhoneと同じように作ればいいじゃんって訳でもないし、これは仕方のないところ。
時間が解決してくれると思うので、高額アプリを買う勇気がない人は、成熟するのをじっと待つのだ。または、僕らのような人柱のレビューをしっかり読んで、納得してから買って欲しい。

iPadの弱点としては、PCからの充電が行えないこと。電池の持ちはかなりいいけど(その代わり重い)、充電に10Wを要求し、これってUSBの規格上の最大電力の4倍、給電できる環境は今のところ純正のACアダプタぐらいだ。
後はまだ僕も使い方を模索しているところなので、誰かに「どうですか」って聞かれても、これと言ったメリットを説明できないところ。使えばじわりじわりと感動の波が押し寄せてくるのだけど、店頭などでちょっと触ったぐらいじゃ、このおもしろさはなかなかわかってもらえないと思う。

とりあえず持ち歩いてるけど、世のBlog等で書かれている「iPadを持ち歩くようになったらPCいらなくなった」って状態には至っていない。職業柄、それは仕方がない。

現在の1ページ目はこんな感じ。

Screenshot 2010.05.30 00.33.53

TwitterはどっちかっていうとiPhoneでいじくる方が好き。iPhoneアプリがいろいろ混ざっていて、アイコンの位置も検討中。ITmediaアプリはバージョンアップして非常によくなったし、iPadにも対応してるので常用するつもり。
また面白いアプリ見つけたら報告します。皆様も楽しいiPadライフを!

2010年2月26日

香水臭い人とイヤホンの音漏れの共通点

お昼休みにのんびりとうどんを食べていると、なんかすごい香水のにおいが漂ってきた。香水自体は嫌いじゃないし、いい香りをさせている方々を見るとピンヒールでグリグリやられても「なるほどですねー!」と受け入れてしまいたくなるぐらいになることもしばしばある。と、思う。

しかし、香水臭いのはどうも受け入れられない。Googleとかで検索してみても、職場や公共の場所での香水臭い人というのは、悩みの種であるようだ。

「その香水臭いです」って注意すればいいだけの話なのだけど、これがまた難しい。だって、本人は香水臭いと思っていないんだから。

ジャイアンが音痴だと誰も指摘できないのと一緒で、香水臭い人は自分が香水臭いと知らないばかりか「トップノートが○○で特にラストノートが云々」思っている可能性だって十分ある。
どうしてそこまで臭いの塊になってしまうのだろう。

昔、女医レイカというコミックで、香水臭い人を扱った回があった。その人は普段から香水をふりかけまくりの人だったのだけど、レイカはそれを「自分の体臭を気にするあまりの行動」だと診断してた。
何かのキッカケで自分の体臭を気にし始めた人は、それを抑えようと別の臭いで対抗する。一時的に何とかなったように感じるものの、一度気にし出すとセンシティブになっていってしまい、実はそれほど大した体臭でなかったにしても、どんどん香水まみれになっていってしまう。
そしていつしか臭いの塊になってしまうと言う図式だ。

僕は以前、京葉線の車内でボーカルの声がしっかり聞こえてしまうレベルで音漏れしている人に遭遇したことがある。車内の誰もが顔をしかめるぐらいひどい音漏れの原因になっている本人は、まるで気がつくそぶりもなく、また音が大きいといった感じすらも受けない。

音漏れに関しては、ヘッドホンの工夫である程度防ぐことができるのだが、さて、この人はなぜそこまで大音量で音楽を聴くハメになったのだろうか。僕はしばらく考えてみた。

電車というのは、走っている間は結構うるさいものだ。風を切る音、レールの継ぎ目の音、様々な音がノイズとなって車内を駆け巡っている。
あなたはここで音楽を聴こうとしたとしよう。イヤホンを耳に入れ、再生ボタンを押す。すると聞こえてくるのは、お気に入りの音楽だけではない。イヤホンを通じて入ってくるのは電車の走行ノイズだ。
鉄橋を渡っている間はゴウゴウと重低音が響いてくるし、トンネルに入ってしまえばもう手のつけようがないノイズにまみれてしまう。聴きたい音楽の何割かがそのノイズに乗っ取られている。そこで取る対抗策は、ボリュームを上げることだ。

ここでポイントとなるのは、そのイヤホンは「外の音が通り抜けてしまう」と言うことだ。逆に言えば、中の音も外に漏れ出てしまう。

ノイズに対抗してどんどんボリュームを上げれば上げるほど、音漏れもどんどんひどくなるのだ。そしてやっと満足できるレベルまで外の音を消し去れたとき、外側へは想像もできないレベルで音漏れが起きてしまっているのだ。
この問題は、密閉型のヘッドホンにしたり、ノイズキャンセリングタイプを選んだりすることで、ある程度防ぐことができる。

以上のように、香水臭いのと音漏れは、それぞれ全く同じカテゴリの悪要因と戦った結果なのだと考えられる。
当人はストレスから解放されてホッとしているのである。気になる体臭やノイズから解放されて、やっとフリーになれたところなのである。

そんな状態にある人を捕まえて「香水臭いから」とか「音漏れひどいです」とか言おうものなら、またその人たちはストレスの最中へたたき落とされてしまう。
やっぱりそう考えると注意しづらいなぁ。いや、注意すべきなんだけど、反撃が怖いよ。

2010年2月24日

Klättermusen 気になる

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新年のセールで神田に立ち寄ったとき、店舗の片隅にあったKlättermusenに一目惚れ。その日はたまたま参考程度に製品が置かれていただけだったのだけど、この間、孤高の人の原画展を見に行ったついでに寄ってみたら、Baggiというトートバッグ(写真)を始め、ザックからウェアまでいっぱい置かれていた。

Klättermusenはクレッタルムーセンと読む。スウェーデンのブランド。
ザック類には独特のワイヤーが張られているのだけど、これ、1個のループの耐荷重が10kgもあり、携帯やカメラ、その他オプションをぶら下げたりするのに使ったりするそうだ。

素材は漁業編みやカーペットをリサイクルしたものを使っていて、ウェア類でも定番のGORE-TEXが使われていない。Klättermusenは環境保全活動にも力を入れていて、リサイクル素材を使うことで、二酸化炭素排出量の抑制、ゴミの削減を進めているそうだ。GORE-TEXは製造時に大量の二酸化炭素を排出することから、使用を見送っているとのこと。その上、売り上げの1%は環境保全団体へ寄付される。

コンセプトはもちろんのこと、飛び抜けたデザインも目を引くし、そもそも開発しているのがクライマーなので、現場で役立つ様々なギミックが仕込まれているのもうれしい。
特にザックは価格の割にはよく考えられた作りをしている。機会があれば買ってみたいと思う。

ウェアはちょっと高い。

店員曰く、かなり人気が高まってきていて、入荷すれば売れていくような状態だという。その割には街で見ないのだよな。ヤフオクでは結構流通しているようだけど。

大昔にArc'Teryx を見つけたときのような、何とも言えない興奮を感じつつ、見守っていきたい。

Klättermusen は、神田のici clubのMOUNTAIN EQUIPMENTのフロアや、原宿ノルブリンカでお目にかかれるよ。

2010年2月23日

奥華子の「ガーネット」PVのロケ地を見つけた。

Twitterで誰かが奥華子のガーネットをYouTubeで視聴していたのをみて、僕も見てみた。

ガーネットはアニメ版の時をかける少女の主題歌に使われている、年頃の女の子があこがれの男の子を想う気持ちがそこかしこからあふれ出てくる、名曲である。Youtuberepeatでガンガンブン回して聞きまくった。何度聞いても飽きない。

ふとしたときに、そのPVを眺めてみると、どうも見覚えのある景色がチラホラと写っている。でも、似た街並みとかよくあるし、まさかねーって思っていたら、決定的な建物が写り込んだ。


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公園から見えるふたつの高層ビル。左側は細長い形をしているのだが、これは幕張にあるAPAホテルではないか。となれば、右側のはニューオータニである可能性が高まる。
ただ、似たような建物の配置は国内にたくさんあるだろうしと、もう一度PVを見てみると、序盤に興味深い建物が写り込んでいる。

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トレードマークでもある赤いメガネをかけた奥華子の左側に二つのタワーが見える。これまさに、幕張じゃね?ということは、この公園は海浜幕張公園じゃね?

以前、ミスチルの箒星のPVロケ地が幕張だった話を書いたことがあるが、またしても幕張だった。奥華子は千葉県の出身なので、ああなるほどねと思えるのだけど、幕張は撮影しやすいのだろうか。

この広い公園を南北に道が走っていて(衛星写真でも確認できる)、彼女はここを歩いているようだ。すぐに木を見上げるカットが差し込まれる。

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2棟ほどマンションが写っている。セントラルウエストパークという、団地であることが、GoogleMapsで確認できた。

その後、特徴的な歩道橋のシーンにかわる。交差点の上でクロスしている歩道橋は、幕張にあるのだろうか。


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拡大率を変更して探してみたら、少し離れた場所にあることがわかった。運転免許試験場のすぐそばの交差点だ(GoogleMaps)。
ただ、こんな形した歩道橋はたくさんあってもおかしくない。
ポイントとなるのはヨットの形を模したと思われる意匠。そして、左手にある道路の導流帯と橋?とおもわれる構造物だ。
先ほどGoogleMapsで見つけた歩道橋をよく見てみると、ヨットの形をした影が映っているのがわかる。そして左下には導流帯と運河にかかる橋が見て取れる。

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シーンはオフィス街に移る。彼女は公園を出て移動してきたようだ。
右側にある大きなビルと、割と大きな道路を挟んで3つぐらいある高層ビル。この建物の配置で考えると、撮影したのはこのポイントだ
歩道橋の上から撮影されていると考えられる。このシーンのあとで、同じ歩道橋上からとられたいくつかのカットも散見された。

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横断歩道を渡っているシーン。さっきのカットはその背後の歩道橋から撮られたものだ。

そして、ついにピアノのある歩道橋にさしかかる。彼女が登っている階段は、歩道橋のどの階段なのだろう。


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ここでポイントとなるのは一方通行の標識、奥に写っている川、階段横の木。この配置条件を満たしているところをストリートビューで探してみたところ、みつけた

ということで、ガーネットのPVはすべて幕張近辺で撮影されていた。千葉県に住むひとなら、免許の更新で行ったりすることがあるだろう。

今回もたまたま幕張だったのだけど、また他にロケ地が分かるような事があったら、いろいろ紹介してみたい。

2010年2月 8日

-20度の八ヶ岳に行ってきた

前日の仕事などもあって、出発したのは5時ぐらい。しかも財布を忘れるという失態もあって、最終的に東京を離脱したのは7時前だったんじゃないかと。

目立った渋滞もなく石川PAで朝食を仕入れ、双葉SAでトイレ休憩、そして諏訪南へ。通い慣れた道。
相変わらずノーマルタイヤな車なので、突如現れるであろう雪道にびくつきながら、チェーン装着のタイミングを図る。 そろそろやばいかなってところでチェーン装着。美濃戸口へ。

装備を整えて出発。11時。予定より1時間押し。すでに気温はエクスペディションな状態になっているようで、テルモスから漏れ出たお茶が一瞬で凍り付いていた。

美濃戸までは1時間で登れた。珍しくコースタイム通り。美濃戸の山荘で昼食をいただく。山荘に住んでいる「ポッコ」という犬に唸られる。

隣で食事していた関西人っぽい人に「硫黄いくの?あそこは上が平らだから、道に迷いやすい。赤岳とかだと道は1本だからな。レベルも大して変わらんよ。上に岩場が歩かないかの違いだけ。」と言われる。なるほど。そういう見方もできるんだな。
「昨日電話で聞いたところ、地蔵尾根で40cmのラッセルだったって」と。すっかりテンションが下がる。

12:30に山荘出発。

いくつかのパーティーに抜かれる。我々は登るのも下るのものんびりなのである。
堰堤でさっき抜いていったパーティーに追いついた。見るとアイゼンを装着している。いつも堰堤で大きく休むことにしているので、ザックをおろして雪遊びなどしてみた。
パーティーが出発したあと、常置してある雪上車の裏に回り込んで風をよけつつ、アイゼンを装着。この積雪、途中の階段や橋がえらいことになっているのは予想できる。

初めて来たときはあれほど遠く感じられた北沢の上りも、来るごとにペース配分がわかってきたのか、あまり疲れを感じることがなくなった。それでもほかのパーティに抜かれるけど。そして今回は股関節が痛くなった。こうやって徐々に慣れていくのかなとか思ったりしている間に、橋を9つ渡り終えた。股関節、左足の付け根の痛みはだんだんひどくなってきていて、後半は足をあげるのが相当つらかった。
登山前にジムでボルダリングをしたのだけど、そこで無理な動きをしたのかなとか考えたけど、原因不明。左足は利き足なので、右足をかばってしまったのかなってところで決着させた。

15時ぐらいに赤岳鉱泉着。いつもなら山小屋でのんびりしたくなるのだけど、まずはテン場にいい場所を見つけることから開始。

風が強く、林の中に設営することにしたけど、なかなかいい平地に巡り会えず、やっと見つけたまともそうなところをショベルで掘って掘ってテント分の場所を確保した。
当初、風が少なそうな林側を出入り口にしようと思っていたら、掘っているうちにガリっと嫌な手応え。新雪の中に氷がある。と言うことはだ。あ、色がついてる。あー

トイレを掘り当ててしまった。幸いにも小さい方だった。氷であるうちは無害だ。というか、トイレすぐそばにあるのに、ここでする意味がわからん。まったくもう!
ここは常時零下なので、トイレをしてもすぐに凍って春までそのままだ。いつか掘り当てると思ってたんだけどまさか今日掘り当てるとは。なのでテントの位置をちょっとずらした。

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今回用意したテントはMSRのASGUARD。エクスペディションな環境に使えるタフなテントである。
ちなみにこの写真、設営時ではなく翌日に撮っている。当日は、写真どころではない環境だった。
吹き荒れる強風、何度もテントを飛ばされそうになりながらも、やっと設営を終えたときは手も足も冷え切って感覚がないを通り越して、千切れたんじゃないかというぐらいの痛みを感じるぐらいで、逃げるように赤岳鉱泉へテン場の使用料を払いに行った。

山荘に気象状況の問い合わせの電話が入っている。「気温は-20度ぐらい」「風は強いです。本日赤岳に入っている人は、一人もいません。」と、なかなかすごい会話が聞こえてきた。

受付を済ませ、中の暖かさにすっかり安心しきったところで、談話室で食事をとらせてもらうことにする。テントを入れてきた袋(写真前方)に食事を作るためのバーナーなどを詰め込んで再び山荘へ戻り、カレーうどんを制作した。となりの食堂では山荘自慢の料理が出ているようだ。

食事を済ませてテントへ戻り、パッドを敷いてエマージェンシーなブランケットを敷いて、寝袋を設置。ジャケット類を脱いで寝袋に入って、もう一枚のブランケットを寝袋の上にかぶせた。

脱いだジャケット類はザックの中に。シューズは枕元に置いた。テントも前室はピッケルを使って固定して、もう一方の前室はトレッキングポールを雪に埋め込んで固定。横の張り綱もトレッキングポールとショベルで固定した。翌朝にはピッケル以外すっかり埋まってた。

低温すぎるのもあってeneloopが電源なライト達は電圧低下で動作が不安定になり、それもあってさっさと就寝。19時。

寝袋の上にエマージェンシーブランケットをかけるというのはなかなかいいアイデアだった。すっかりポカポカできたのだけど、自分の体から蒸発した汗による結露が、ブランケットで氷になり、それがぽたぽたと顔面に落ちてきたりして何度か夜に目が覚めた。

翌朝、何度か目が覚めたところで外の様子をうかがうも、ものすごい強風が続いていて「これでは稜線は歩けたものじゃないな」と言うことで、早々に下山することに決定。 結局7時半ぐらいまで寝てたと思う。

周りをみるとテントの数が減っていた。下山した人もいるようだけど、アイスクライマーを中心にしたパーティーはそれぞれ目的の氷へ出かけるようだ。

とりあえず山荘内で朝食を制作。買ってきたおにぎりと味噌汁。コーヒー。
登山中におにぎりはいったん凍ってしまったようで、外側の米は米の形をしたなにやら別の物質に変わってしまっていて、まったくもって全力で不味かった。「愛情おむすび」と書かれてあったが、偏った愛情を感じる。コーヒーで口直しした。

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テントへ戻って撤収開始。

荷物を外に出し、テントの中にたまった氷を外に出す。

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この世界では氷や雪は石や砂みたいなものなので、とけない限りは気にならないのだけど、 このままたたんで下山してしまうと、下界で氷は水になり、テントはあっという間に水浸しになる。たたまれた状態のまま。
乾燥作業が大変になるので、できるだけ氷は外に出してしまう。

装備をととのえて下山開始。すでに指先は激痛が走る状態に。寒すぎる。

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小屋の屋根越しに赤岳が見えた。阿弥陀だと思ってたけど、赤岳?だよな、阿弥陀?どっちだ?
残念なことに天候は回復基調にあるようだけど、これから登ると下山は夜にかけてすることになる。あきらめる。

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昨日登ってきた道を降りていく。この時間から下山するパーティーは数えるほどで、のんびり撮影を楽しむ余裕すらあった。時折太陽が顔を出し、雪景色に花を添える。そしてついには青空が。

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この山はどこまでもツンデレなのである。背を向けると後ろ髪を引いてくるのである。帰れと言ったり帰るなと言ったりどっちなんだ君は。

堰堤まであっという間におりてきた。アイゼンを装着して来たのが功を奏し、怖い目に遭うこともなかった。堰堤から先は雪上車のトレースがあるので、道が急に二つに増えたようになる。途中、中央アルプスと思われる稜線を林の間に見た。

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下山なう。
冬期閉鎖している八ヶ岳山荘で休憩を入れると、目の前に阿弥陀が見えた。青空に映える見事な山様。登ろうとせず降りた我々をあざ笑っているかのようであるが、よく見るとその山頂からは雪煙が見えた。晴れていても風はすごそうだ。

車に戻って装備を解き、さっさと降りる。途中、ズームラインでチェーンを外した。やっぱり風が強い。振り返ると今まで見た中で一番きれいな八ヶ岳が見えた。

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まぁ、また来るし...いいんだ。

僕が八ヶ岳に入るといつも荒れる。僕が去ると晴れるのだ。

2010年1月17日

蓼科で、ふらりと立ち寄ったそば屋さんがとんでもなかった件

八ヶ岳は北と南のエリアに分けることができる。南は毎年死者も出ている山形カット歯ブラシのような険しい稜線でおなじみだけど、北側は蓼科高原をはじめとしたソトコトを地で行くようなロハスでスイーツなリゾート地だ。

今回のミッションは、スノーハイクのゲレンデとしても知られる北側の北横岳の登山口である、坪庭とその周辺のリサーチである。

自慢じゃないのだけど、うちの車はスタッドレスを履かない。滅多に雪が積もらない大阪市に住んでいたからかも知れないけど、スタッドレスを履くという習慣がないのだ。でも、チェーンはちゃんと携行している。なので、大丈夫だとおもって出発した。

蓼科へのアプローチは、中央道諏訪ICである。1つ手前が諏訪南。八ヶ岳へのアプローチがここだ。なのでほとんどルートは一緒なのだ。富士山の脇を抜けて甲府盆地に入ると見えてくるのが、南アルプスの泣きそうなぐらい険しい稜線と、周りがどれだけ晴れていても、そこだけ気象コントロールされているのかと思ってしまう、雲に包まれた八ヶ岳だ。どこまでツンデレなんだろうこの山は。

諏訪から先はあまり知らない道。実際は何年か前の社員旅行で走ったことがあるのだけど、それ以来ということになる。道覚えているかなと心配だったけど、インター出た瞬間に記憶が引き出されて、道に迷うことなくビーナスラインに入れた。ここまで来たらあとはまっすぐ行くだけである。

ビーナスライン沿いには信州蕎麦を出すお店がたくさんある。信州蕎麦と言えば十割だろ。二八なんてどこでも食べられる。せっかく来たんだから十割食べたい。そう思いながら沿道のいろいろなお店を見ては「うーん、ちがう」と言いながら進んでいった。
道がだんだん山道になって、いよいよおそば屋さんがなくなろうとしたところで「石臼挽き」という看板がちらりと目に入った。「お?これは気になる。」と、通り過ぎたのだけどUターン。

別荘地にたたずむ、小さなおそば屋さんを発見した。「しもさか」と書いてある。駐車場は6台ほどあるようだけど、僕以外には1台だけ。しかもその人は店を出てきたようだ。雪が積もった道をノーマルタイヤで走るのも怖いので、一番手前の駐車スペースに車を入れ、店へ向かった。

気温は−5℃ほどか。乾燥した空気と、パウダースノーのせいか、周りはとても静かだ。

店の入り口にメニューがあった。僕は驚愕した。蕎麦が「せいろ」しかないのだ。それ以外は「そばがき」と「おしるこ」。
せいろは大盛りにできるほか、おかわりも可能。もちろん、料金がかかるのだが、その料金がまたすごい。

せいろ:1600円
せいろ大盛り:2200円
せいろおかわり:1200円
そばがき:1200円
おしるこ:1000円

いやまて、きいたことがある。蓼科にとんでもないそば屋があると。メニューが少なく、非常に高い。せいろとそばがきだけという、超強気ともとれるメニュー構成の店があると。

意を決してはいることにした。

平屋の落ち着いた店舗。左手は座敷のようである。玄関で靴を脱いでスリッパに履き替えて入ると、大きな6人掛けテーブルが1つ、4人掛けのテーブルが2つほどあった。こぢんまりとした空間だけど、窓の外には雪景色が広がり、なんともスローな時間が流れる。

ストイックな感じのする店主に「せいろ」をお願いする。程なくしてそれはやってきた。

むむ...

蕎麦は茨城の契約農家から送られてくる純国産そば粉を100%使用し、石臼で毎日じっくりと挽いているのだそうだ。これで1600円。原材料コストとかかっている手間からすれば、高いとも言い切れまい。

一筋すすってみる。カツオの味がぴんと立っている上品で後味のスッキリした付け汁。蕎麦の香りが負けたりしないかと心配ではあったけど、ほどなくして蕎麦の香りがふっと鼻に通ってくる。なかなかいい体験である。

そば湯は透明感のあるタイプで、上澄みをとっているのかなという印象。いわゆるドロドロ系のそば湯が好みなのだけど、こちらも蕎麦の味がしっかり出ていて非常においしかった。おそらく人生で1,2を争うのではなかろうか。

食事を終えて会計を済ませ、店をでたら来るときは気がつかなかった小川のせせらぎが耳に入った。時には行列することがあるというが、待っている間ものんびりとしたスローな時間が流れるのだろうなと思った。

駐車場から車を出そうとしたら、ものの見事にスタックしてしまい、僕はその場でチェーンをつけて、ロープウェイ乗り場のある駐車場へ車を走らせた。

いやぁ、衝撃的だった。蕎麦が。

実はこのあと、上り坂で突然クルマがスピンするという自体に見舞われた。ブレーキを踏んだりしたわけじゃないのに、いきなりリアが左に流れ始め、カウンターを当てたら思いっきり右に流れて道をふさぐ格好で止まった。他車がいなくてよかった。もしいたらとおもうとゾッとする。

北横岳へのアプローチルートは雪歩きが楽しめる構成になっていて、思わず山頂まで行きそうになったのだけど、今回は蕎麦のインパクトがすごかった。また行くと思う。財布が許すなら、腹一杯食べてみたい。

この価格設定には賛否両論あるけど、一度食べてみればいいと思う。もちろん、ここよりコスパの高い店はたくさんあると思うけど、なにかこう、憎めないのだ。だからまた行くと思う。
調べたら創業は平成元年とか。20年近く続いているのだ。単に強気なだけなら、こうはいかないだろう。

俊樹蕎麦しもさか

長野県茅野市北山4035-1026
TEL&Fax:0266-67-2682
営業:11時30分~16時(不定休)
http://shimosaka-soba.com/

2010年1月14日

これから雪山を攻めてみたいというフツーの人に贈る、冬の八ヶ岳レポート

もともと関西人だったのもあって、冬山はとても縁がないものだった。登ったと言えばちょっと雪が積もっている金剛山とか、積雪というよりはアイスバーン全開な赤目四十八滝とか、南国だからと油断していると痛い目に遭う、新年の久住とか。

思えば久住が一番冬山らしい冬山だったと思う。

そんな僕が今度は八ヶ岳の硫黄岳に行ってみた。冬山レベルとしては初級らしい。久住よりは相当レベルが高そうではあるが...

八ヶ岳は以前社員旅行の自由行動で蓼科に登ったのが始まり。以来、その独特の山様に魅せられつつ、なかなか機会がなくて登れなかったのだけど、10月についに赤岳に登れた。

夏登ったら次は冬だねとは誰も言わないのだけど、八ヶ岳の場合は通年営業している山小屋があったり、アプローチが便利だったりして、冬山入門としてもうってつけであることが伺える。装備を整えて、12月の八ヶ岳へ向かったのだ。

深夜に家を出て、談合坂で仮眠。早朝に出発して諏訪南から美濃戸口へ。

四駆などの恵まれた車であれば、さらに美濃戸の赤岳山荘の駐車場まであがることができる。徒歩に比べて1時間稼げる計算になるけど、駐車料金は美濃戸口の倍になる(美濃戸口は1日500円)。

装備を整えて美濃戸へ歩いて行く最中、30分ぐらいのところで試しにと持ち込んだハイドレーションが凍結。これから起こる波瀾万丈を予告するかのよう。
飲料水が凍ってしまってはいけないので、持ってきたテルモスに中身を移し替えて登山を続行。美濃戸山荘(冬期休業中)の軒下でおにぎり2個で昼食。

時折小休止を挟みながら、北沢を赤岳鉱泉へ。初めてじゃないルートであったのと、天候が良かったのもあり、美濃戸から4時間ほどで到着した(標準タイムよりは遅い)。

実は登っている最中に、愛用のサングラスを落としてしまってた。気がついたときはすでに遅く、サングラスなしで稜線にでるなんて...とちょっと怖じ気づき始めた。

山小屋でテントの受付を済ませると、主人から「イオウ?イオウなら今のコンディションでも大丈夫だね。ただ、稜線は風がすごい強いから、浮きそうな感覚があったら、イオウであってもすぐに下山した方がいい。30m飛ばされた人とかもいるからね。」
この道一筋の人の意見を聞き入れることにする。

ついでに腹が減ってきたのでラーメンをいただいた。その後にテントの設営。

設営場所は少し悩んでから、杉の木の下の落ち着いたエリアを選んだ。
フットプリントを敷いてみて位置を確認。変な枝や石が露出していないかを確認しながら、雪と氷の固まりになっている地面を水平にピッケルを使ってならしていった。

ある程度ならせたかなというところで設営。テントは木の下で、出入り口もそちら側に配置した。

ザックから寝袋とマットを取り出して、いつでも眠れる体制を整えて入室。使っているテントはMSRのHUBBAHUBBA HPというやつで、正直冬山に使うには厳しすぎる。ベンチレーションもないようなものなので、ものすごい結露が予想される。

寝袋とマットさえしっかりしていれば、テントが貧弱でも行けるんじゃないかという予想に基づいているのだが、はたしてどうなることやら。

夕食はインスタントパスタ。山小屋で買ってきた暖かいお茶(テルモスに入れてもらう)と、重い思いをして運び上げてきたシャンパンをあけた。

驚いたことに、自分たちの吐いた息が空気中で結露して白くなるのはいいとして、それが延々とテント内に漂っているのだ。シャワールームかここはってぐらいに。そしてそれがいずれテントにくっついて結露して、凍って、テントの内側がキラキラ光っているのに気がついた。

近くのテントにいるおばちゃん軍団があり得ないほどうるさかった。「悦子がー!悦子がー!(おそってくるとかそんなことを下品に叫んでいる)」とかうるせーので「悦子うるせー!」と叫んでおいた。それを聞いた近くのテントから失笑。

19時ぐらいにみんな就寝。

今回、マットを忘れた友人に僕のマットを貸していた関係で、僕の寝袋の下はエマージェンシーシートと脱いだゴアパンツがしかれているだけという状況で、夜は寒くて寝苦しかった。慣れの問題かもしれないけど。
足下には除去したはずなのに大きな石ころがあって、それがごつごつ当たって痛くて、おかしいな、ちゃんとならしたのに。と思いながら何度も寝ては置きを繰り返して、4時ぐらいに起床。

靴を履いてトイレへ。扉が凍り付いてしまっていて、居合わせた人と一緒にこじ開けた。「凍ってるって言うか、外れちゃってるみたいでね。昨日もはずれてたよ。」とその人。

その後、テントへ戻ってその辺の雪をかき集めてバーナーで溶かし、インスタントリゾットをたらふく食べて出発の準備。気がついたら日が出てきて、続々と周りの人たちは目的の山へ出発して行ってた。我々は一番近い硫黄岳ピストンなので、割とのんびり過ごしてた。

出発を前にマット代わりにしてたパンツを回収。その時に石の正体がわかった。飲料水のパックが凍ってしまってた
水分はとにかくとことん凍る。そんな世界。凍らせたくない場合は寝袋の中に入れたりとかするそうだ。なるほどな。

アタックザックなんてないので、荷物を抜いたザックにそのまま菓子類を詰め込んで出発。山小屋前でクランポン装着。

靴は厳密にウインター用ではないので一抹の不安を覚えるが、それほど不便を感じなかったのはルートが優しいせいか。いずれはちゃんとした靴に買い換えたいなと思いながら硫黄岳への道へ入った。

しばらくは森の中を抜ける、異世界感たっぷりの山道。沢を渡ったあたりから徐々に山登りになってきた。スタートが遅かったのですでにトレースもしっかりついていて、道に迷うことなく、文字通り一直線に山頂を目指せる。

気になるのは木々の間から見えるダークグレーの雲底ぐらいで、森の中にいるせいか風も強くなく、のんびりとしたスノーハイク状態で進んでいく。小休止は2回ぐらい。

後半、赤岩の頭と呼ばれるポイントまであと30分ぐらいかというところから森林限界を抜けた。風向きが一定のようで、つづら折れのポイントで急に風が強くなったりする。さすがにそのポイントでは目出帽をかぶり、フードをしないと目を開けているのもつらい状況
そして進むごとに「これ、稜線やばくね?」という雰囲気がどんどん増してくる。

そして最後のスイッチバックを迎える直前、一気に視界が真っ白に。稜線は風速20m/sを超える風が吹き続け、それで煽られた雪でホワイトアウト状態に。かろうじで稜線下にいたので強風は免れているものの、少し進めばもうそこは吹雪。見るとトレースも完全に消えていた。

「とりあえず案内板まで進んでみよう」と歩いてみるが、トレースを外れてしまったのかいきなり腰あたりまでの積雪に阻まれた
なんとか誰かが踏み固めたところを探し当てて、案内板の下へ。

硫黄岳山頂には爆裂火口と呼ばれる絶壁があって、稜線も狭め。そのため、歩く道筋には看板やケルンが頻繁に置かれてある。雪が積もっているだけならダラダララッセルしたりして山頂を目指すのだけど、この強風。とりあえず、20mほど先にある看板まで歩いてみようと思って、GPSに位置情報を登録しようとしたら、低温すぎて液晶がまともに表示されない
なんとか地点登録を済ませて歩き始めるも、数歩で風と雪に阻まれて前に進めなくなってしまった。

「撤退ー」と合図して来た道を戻った。

山頂の手前、500mぐらいのところだった。

下りはとことん楽。下は雪でクッションになっているし、所々のつづら折れは、手前で雪滑りしてショートカットしたりと、遊び心満天で降りた。特に休憩することもなく。

風の通り道になっているルートはすでにトレースが消えかかっていて、これといった目印のテープもなく、あと少し遅かったらと思うと戦慄した。こんなところで迷ったら一発でおしまいだよなーと。

下山中、大同心などを登り終えた玄人集団と一緒になったりした。ハードなところを攻めるクライマーは見た目からしてやり手。早くああいうレベルになりたいなと。

ものの1時間足らずで下山。赤岳鉱泉で牛丼やカレーをいただいた。少し暖まってから撤収作業を開始。

テントに戻ると、テント内に雪が降っていた。結露したのが凍り付いて、はがれたもののようだ。
テント自体も生地が薄いので、ほぼ凍っている部分が見て取れた。これ、収納できるんだろうか。それぞれの装備をまとめ、僕はペグ類を回収。テントを持ち上げて中に入り込んだ雪を振り落とすけど、全然らちがあかない。結局そのままたたんでしまった。帰宅したらすぐ干さないと。

フットプリントとテントの生地は凍ってくっついてた。はがすときの感触がなんともいえなかった。
平地にならしたはずのテント場は、僕が寝ていた部分がすっかり解けて、坂になってしまってた。

下山はクランポンナシで。あるべきかなとちょっと思ったのだけど、別のパーティーを案内してたガイドも「アイゼン(クランポン)ナシで大丈夫です」と言っていたのもあり、歯が減るのも嫌なので収納。
道を下りながら落としたサングラスをさがしてみるも、見つからず。所々にある階段や段差はクランポンナシだとちょっと恐怖

勝手知ったる道なのもあってサクサクと下山。ところが、堰堤に出たあたりから変な頭痛がしはじめ、そのあとは休憩を挟みながらの下山となった。

結局サングラスも見つからずじまい、残念だけどあきらめることにした。

美濃戸から美濃戸口の下山道は、雪が踏み固められてアイスバーン状態になっていてつるつるとよく滑る。クランポンをつけるほどでもないけど、滑るのは嫌なので、轍の盛り上がった部分を選んで歩くことにする。それでも道が曲がっているところは轍がきえるので、かなり怖い。軽アイゼンとかつけた方がいいのかな。

程なくして日が暮れ、最後の40分ほどは暗闇になった。ヘッドランプを最高出力にして、頭痛と闘いながら下山。一番最後の登りが効いた...

しっかし夜になると、人口の明かりが恋しくなるね。集落が見えたら「キター!」ってなる。

今回の登山で学習したことは、テルモスは一人1個以上持っているといいかなということ。暖かいお茶が持ち運べるのはかなり大きい。
そして、テントは冬用をできれば持って行くこと。寒いのはつらいし、ベンチレーション等きちんとしてないと、雪が降ってしまう。
もちろん、山小屋利用ならこの辺は心配しなくていい。
水はとことん凍るので、対策を万全に。テルモスに入れるのもいいけど、断熱材でくるんだりとかね。ハイドレーションはほとんど機能しない。どうしても使いたいなら、凍結対策がとられているやつとか買う必要があるかもしれない。
山小屋のごはんはおいしい。割高かなと思ったけど、ボリュームかなりあるし、お得感の方が大きい。
山小屋の食事を活用して、持ち込む食料を少なくしたりとか工夫ができそうだ。

この冬あと数回の参考を予定している。装備は一つ一つ充実させていって、快適な冬山ライフを送れるようにするのだ。

2009年12月 8日

バイク王でバイクを売った話がいろいろひどいので俺の経験を書いてみる

最近はてブでちらほらとバイク王系のエントリを見かけたのだけど、高価買い取りって言ってるのに見積もりが安くて憤慨しているといった内容で、バイク王がひどいっていうよりは、書いてる人たちがあまりにもひどいので自分の経験を書いてみる。

1年ほど前、駐禁が厳しくなったりバイク通勤が禁止されていたりしたのもあってあまり乗らなくなったスズキのGSX-R1000(2001年型)を売りに出すことにした。
パーツはほぼノーマルで、リアフェンダーをカットして車外品のウインカーをつけていたのと、ブレーキホースをメッシュに、フロントマスターをブレンボのラジポンに。ライトは片目をソーラムのHIDに換装していた。

大阪と東京、大阪と九州を何度も往復したもはや戦友と呼べるパートナーである。走行距離は30000kmを超えていた。

ネット見積もりでは60万ぐらいらしいのだけど、それはないだろうと思いつつ見積もりを申し込み。
王様の家来は速攻でやってきた。

奇しくも当日は大雨。夜だったこともあり、団地のポーチにバイクを入れてチェックを受けた。エンジンを始動して機関のチェックと灯火のチェック。ブレーキや各種スタンドまわりをみて、外観のチェック。

フレーム番号をPDAに登録してチェック内容も合わせて送信。ものすごくスマートで感心したもんだった。車体の写真も携帯で撮影して送ってた。そんな解像度で大丈夫なのだろうかと思ったけど、問題ないらしい。

しばらくすると王様からコールバックがあった。
おそらくフレーム番号から様々な情報を引き出して、細かいチェックを指示しているのだと思われる。家来は王様の指示に従って、細かいポイントをさらに口答で答えていた。

一通り手続きが終わるのに20分ぐらいか。

若い男性の担当者と世間話をすることにした。彼は買い取り業務はこれが今日のラストで、バイクを積んでそのまま家に帰るようなことを話してた。駐車取り締まりが厳しくなったりしたことで、売る人は増えているような事も話した。
ふとしたところで彼はこう切り出した。「岡本さんはこのバイク、いくらで売れると思いますか?ちなみに、最高買い取り価格というのは、走行距離が200km未満の新品同様のバイクであった場合を指すんです」と。

俺は少し考えてこう返す。

「ヤフオクや中古市場で同程度の同車種の売値は40万円から50万円。利益率を10%と考えると店の仕入れ値は36万円から45万円。あなた方がこのバイクを直接売りに出すとは考えられず、オークションなどの流通に乗せたりすることを考えると、市場価格の6割で買い取るのが妥当とすれば、買値は24万〜30万円になりますね。」と。

担当者は感心したそぶりで「僕もそれぐらいだと思っています。もう少ししたらこの端末に買い取り価格が表示されます。」営業トークだろうと思っていたけど、少しして端末がデータを受信。買い取り価格は24万円だった。

正直売値としては相当安いと考えるべきだろう。市場価格の半額程度になってしまっているのだから。

ヤフオクで売るなら一番高くなるけど、名義変更やクレーム対応などの面倒さがどうしてもある。仕事などの都合でその時間が取れない場合、ヤフオクで売るのは賢明ではないと考える。最近よくやるのは、ヤフオク等で売る場合に得られる差額を手を動かす時間で割って、自分の実際の見積もりで出す工数と比べて、安ければやらない、高ければやるといった判断方法だ。
自営だからこそできるとも言える。

業者に売る場合は、所有権を渡してしまった段階であらゆる責任を押しつけられる安心感がある。しっかり手を入れて整備してきたバイクではあるが、人の命を乗せて走られますと胸を張って言うにはそれなりの整備コストがかかってくるだろう。そのあたりもキッチリ転嫁できるわけだ。

安いけど納得。というのがそのときの心境。ただ、どうしてその価格になったのかは聞く価値があるので聞いてみた。

担当者は「このタイプのGSX-R1000は初期タイプですよね。2001年から発売されています。フレーム番号を調べたところ、2001年の初期ロットであることがわかりました。つまり、同一年式でも一番古い部類なのです。カスタムパーツの選定は見事です。センスがあると担当の者も言っていました。ただ、リアフェンダーのウインカーが社外品になっていたのはマイナスなのです。これはそのままだと売れないので、別のパーツを使ったりして直す必要が出てくるかもしれません。目立った傷や転倒の跡もなく、走行距離にしては外観はとても綺麗です。2001年式でここまで綺麗なのはあまり見ません。しかし、色がスズキカラーじゃないのがちょっと残念ではあります(黒/銀だった)。」1年以上前の話だから詳しく覚えてないけど、こんなことを言われた。

結果的に俺は書類にサインをして、24万円を手にした。時間にして1時間ほど。

「あ、これで手続きは完了ですので、もう大丈夫ですよ」と言われたけど、視界から「元愛車」が消えゆくまで見送ったのは言うまでもない。

ネットでは買い取り価格提示後に「やっぱり売らない」と言った場合の例がおおくあるので、この例はまれなのかなと思うのだけど、もう少しゴネれば良かったかとたまに思い出しては考える。

ただ、バイクを売るというちょっと面倒なことが、たったの1時間で完了し、そのごすぐに仕事に戻れたというのは本当にメリットだといえる。忙しい人は利用してもいいと思う。
なじみのバイク店があるならそこを利用するのもいいだろうし、相見積もりをとるのもいいと思う。

たまたま運が良かっただけかもしれないけど、バイク王はそんなに悪いもんじゃなかったよというお話でした。

2009年10月22日

外国人に道を聞かれた

朝、コミュニティサイクルを借りて大手町まで行こうとしていたら、道ばたの駐輪場で外国人グループがなにやら困っていた。

そのうちの一人に声をかけられて、行ってみたら「よかったーあんた英語はなせる?」「little」のやりとり。

どうやら駐輪場を使いたいらしい。

以下英語のやりとり。

旅行者:「この機械はなに?」

俺:「自転車を止めておく装置だよ」

旅行者:「その自転車(コミュニティサイクル)はどこで借りるの?この機械じゃだめ?」

俺:「これは会員制の自転車だから無理だね。」

旅行者:「どこで会員になるの?いくら?」

俺:「この辺で働いている人向けの自転車だよ。メンバーになるには1000円かかる。」

旅行者:「職場どこ?」

俺:「大手町。」

旅行者:「大手町ってなに?」

俺:「うーん。大手町だね。」

ここへきて機械のスピーカーからオペレータの声が聞こえてきた。
どうやらいじってるうちに何か変なボタンを押してしまったらしい。
取り消しボタンを押した後、オペレーターにこちらで対応する旨伝えた。

旅行者:「メンバーになるにはどこに行けばいいの?」

俺:「大手町ビルだよ」

旅行者:「それってどこ?」

俺:iPhoneをだしてここだよと教える。

旅行者:「Oh iphone...」

俺:「今朝だからやってないよ。あと、たぶん借りられないと思う。」

旅行者:「皇居に行きたいんだ。」

俺:「すぐそこだよ。」

旅行者:「じゃぁ、歩いて行くべきかな。」

俺:「そうだね。」

旅行者たちは歩いて行くことに決め、たぶん皇居を堪能したのだろう。

僕は基本的に英語が全くダメなのだけど、外国人に道を聞かれた際は、それが英語であろうがなんだろうが、できるだけ対応することにしている。
日本に来てくれている人たちに、嫌な思い出を提供するなんてしたくないから。というと、聞こえはいいのだけど。

外国人の中には「生の日本語が聞きたい!」という人も居るようなので、英語と日本語がごっちゃになった状態での受け答えをするように心がけてる。

今回の受け答えでは、彼らは皇居を自転車で走り回りたいと要望があったことを後になって知ったわけだけど、それをはじめにわかっていれば「皇居は自転車乗り入れ禁止だよ」の一言で済んだのに。と。
やっぱり英語はなせるようになりたい。

2009年9月27日

ARC'TERYX(アークテリクス)のハードシェルのアルファ、ベータ、シータの違いを聞いてきた。

東銀座にあるアークテリクスの店で、ハードシェルをいろいろ試着させてもらった。

アークのハードシェルは「アルファ」「ベータ」「シータ」の3種類があって、それぞれに「LT」「AR」「SV」というカテゴリ分けがされている。
コレが初心者には分かりづらい。価格を見ればシータのSVってのが一番いいんだろうなってのはわかる(9万円)のだけど、果たして、自分に適したのはどれなのだろうかとなればもう、悩むしかなくなってしまう。

販売店で直接聞けばいいのはもちろんだが、今回は直営の店で聞いてみることにした。その方がいろいろ勉強になるはず。

僕のスペックはフリークライマー。アイスクライミングもやるよって感じで店に行った。アイスは未経験なのだけど、アイスやりたいし。

まず、一般的によく言われているのは、アルファベータシータは丈が違う。ということ。シータが長く、アルファが中間、ベータが一番短くなっている。
当然、防寒性を意識するなら、ハーフコートのごとく長めのシータを買うのがベストかと思いきや、意外な話を聞いた。

まず、クライミングをする人の場合、シータはオススメできないと言うこと。特にアイスの場合、ハードシェルの上にハーネスをつけることになるので、丈が長いとギアラックにぶら下げたドローやスクリューがウェアとこすれあってしまって、必要なときに動きをスポイルしてしまうことがあるそうだ。
そのため、ハーネスを上からつけることを前提とし、ギアとの干渉をなくす丈に調整されたのが「アルファ」。しかもこいつには、激しい動きでウェアがハーネスからすっぽ抜けないよう、ウレタンを仕込んで抜けなくなるような工夫がされている。
経験ある人はわかると思うのだけど、遠くのホールドを取りに行ったりしたときに、ハーネスからウェアが抜けると、再び入れるのは相当めんどくさい。それが登攀中だったらなおのこと。それがマイナス20度とかの氷壁の途中だったらもう命取り。

アイスクライミングの場合、登り始めたらウェアを脱いだり着たりということはできなくなる。そのため、登りはじめの状態をできるだけ維持できるようなウェアでやるのがベストだということだった。

フリークライミングの場合、ハーネスをつけたままウェアを脱いだりすることがあるので、丈が一番短いベータをオススメするとのこと。
要するにハーネスを上につけるのか、下につけるのかで選ぶウェアが変わってくると言うことだ。

では、一番丈のあるシータはどうなるのかというと、バックカントリーなどをやる人向けなのだそうだ。ハーネスはつけるけど、ギアはぶら下げない人でもおそらくいけるかと。

ということで、丈の長さが違うってだけじゃないことをわかった上で、自分のアクティビティに照らし合わせたチョイスをすることをオススメする。ちなみに僕はハーネスすっぽ抜け防止機構が気に入ってアルファが超気になってしかたがない。カナダの救助隊もこれ使ってるんだって。

さて次。LT、AR、SVの違いについて。
LTはライト、ARはなんだろう、SVはシビアって意味なのは前から知っていたけど、それがどういう事かというと、使っている素材の違い。言い換えるとファブリックの厚さの違いってことになる。防寒性に影響するのかと言われるとそうなのだろうけど、それよりも外圧に対する耐久性を意味するところの方が大きいようだ。
つまり、耐久性を落としてもいいから軽いものを!ならLTだし、岩にこすれても破けないようなやつがいい!ってならSVになる。
ARは中間らしく、一部に厚手のファブリックを使い、ストレスのかかる部分の耐久性を確保しつつ、軽さも意識したモデルだ。

氷や岩と言ったシビアな環境での使用を想定するなら、文句なしでSVをオススメしますとのこと。ARだとやっぱり破けてしまうことがあるそうだ。

サイジングについても。
僕は身長が170cmぐらいの体重が65〜70kgぐらいの、クライマーとしては太ってるほうなのだけど、それでもウェアのサイズはSでいけた。しかも、中にシャツとフリースを着込んでの試着でだ。
だいたいハードシェルは一番外側に着るものだから、重ね着したことを想定して大きめサイズを選ぶのだけど、アークの場合はその余裕を持たせたサイジングになっているとのこと。
なので試着せずに通販とかで買おうと思ってる人は、注意した方がいい。

できることなら、どう言った用途で使いたいのかを店に伝えて、適したウェアを選んでもらうのが一番だとおもう。
もちろん、ファッションで着るなら何を選んでもいいと思うよ。

ということでアークを買おうと思ってる人は参考にして下さい。enjoy!

2009年9月 9日

【グルーイング】御嶽の岩にコンクリでホールドが追加されていた

軽くデイキャンプをと、御嶽のいつもの岩の前にテントを張って、食事したりした後、せっかくなのでいつもの岩に触ってみると、なんだか違和感が。
岩のリップのあたりにコンクリートが盛られていて、ほどよいホールドが作られていた。

DSC_6828

クライミングの常識としては、岩に手を加えてはいけないことになっている。ホールドを削る行為(チッピング)、追加する行為(グルーイング)は、ともすれば岩場の閉鎖につながる場合がある。
たいていのクライマーは見向きもせず通り過ぎていく岩なので、あまり問題にならないにせよ、こういった行為がされているというのを目の当たりにして、なんだか切ない気持ちでいっぱいになった。

ただ、余ったコンクリートを使って作ったと思われる足場のようなものもあり、ひょっとしたらクライマーじゃない人がやったのかなという気もする。
DSC_6830

そのた写真セットは以下に。
http://www.flickr.com/photos/hage/sets/72157622150320689/

手ぶれがひどくて見てて酔ってしまう動画もとりました。岩同士がコンクリでつなげられてしまっている悲しい絵も見られます。

720p VBR ターゲットビットレート5Mbpsの超高画質でアップしてあるので、フルスクリーンでさらに酔えます。

2009年8月20日

大手町で野菜充するなら、JAビルのラ・カンパーニュで決まり

今常駐先があるJAビルの地下には、旧JAビルから引っ越して来たお店やらのレストラン街があるのだけど、普段ここでランチするときはうどんしか食べない僕が、ふとしたきっかけで「あー野菜充したい」と思い立ち、それならばとラ・カンパーニュへ足を踏み入れてみた。

本来、野菜充したいならTOKIAまで歩いて行って、串カツの「旬's」を攻めるか、ライトにサブウェイでフットロングするかなのだけど、よくわからんオーガニックカフェみたいなところには行く気にもなれず、もっとこう、野菜充できる店はないのだろうかと常々思っていた。

よくよく考えるとJAは全農のこと。ビル4階ギャラリーでは全国から集まった自慢の農産物が直販されていたりもする。

そんなJAが本気で直営しているフレンチが、今回紹介するラ・カンパーニュなのである。

日本全国から集まった自慢の農産物がここでもふんだんに使われている。
メニューは食事からドリンクに至るまで、野菜を中心とした構成になっている。野菜のカクテルまである。

ワインの種類も充実。なんと言っても国産ワインの取りそろえが多いのはさすがJAと行ったところ。今回は飲まなかったけど、仕事が落ち着いたら野菜+ワイン充と行きたいところだと思った。

今回はビールのつまみとしてラタトゥイユを、そして海の幸のサラダ、16種類の野菜のタジン釜と頼んでみた。
タジン釜っていうのは、三角帽子のようなふたが付いた陶器の蒸し器のようなもので、素材が持っている水分をそのまま循環させて調理する、圧力鍋と蒸し器の中間のような機能を持っている。
まさに野菜充料理と言える。

これにプラス500円で牛肉や魚、ソーセージやハンバーグなどから1品トッピングできるというので、ハンバーグをオーダーした。

ではまずラタトゥイユから。
ラタトゥイユ

ズッキーニ、ナス、ピーマンなどが入っている。
ハーブをきかせたオリーブオイルに、ビネガーの優しい酸味が加わった一品。
おつまみとしてはもちろん、料理の間の箸休め的な感じでちびちびいただくのがおいしい。
トマトはドライトマトだ。

そして海の幸のサラダ
海鮮サラダ
プチトマトよりもさらに小さい超プチトマトが目を引く。
食べてみるとしっかりトマトの味がするのでおもしろい。エビと貝柱、大ぶりのマッシュルームのスライスが隠れている。

フィニッシュでタジン釜
タジン釜
そしてメインディッシュとしてのタジン釜。
16種類の野菜リストは店頭で確認できるようになっている。
里芋、サツマイモ、ジャガイモ、カボチャ、大根、パプリカ、インゲン、キャベツ、エリンギ、カリフラワー、ブロッコリー、レンコン...
乗っているハンバーグはびっくりするほどふわふわで、ソースはとても甘い。後味さっぱりな甘さで、ハンバーグだけもう一度いただきたい気分にさせる。
野菜はアボカドオイル、くるみのオイル、天然塩で好みに味付けをして、食べる。
バーニャカウダ慣れしてる人ならすんなりといただけることだと思うが、普段生野菜をそのまま食べる習慣がない人は、ちょっと構えてしまうかも。
オイルたちは癖がつよいので、塩で食べた。

食後は残ったスープを温め直してもらい、そこへご飯を投入。
にんじんをすり下ろして作ったにんじんのバターをいれて旨みをつけ、塩を追加して食べるとびっくりするぐらいおいしくなった。

JA直営ということもあって、野菜の品質は問題なく、また店内もテーブル間隔を広めにとっていたりするので、のんびりと食事を楽しむことができる。
会計は上記の料理+アルコールをそれぞれ2杯頼んで2名で7300円。
腹一杯食べるタイプの店ではないと思うので、これぐらいの会計が妥当だと思う。

充実の野菜とお酒と落ち着いた席なので、また機会があれば立ち寄ってみたい。

ラ・カンパーニュ
東京メトロ各線大手町駅直結(C2b出口)、大手町カンファレンスセンター地下
http://www.ja-campagne.com/

2009年8月18日

小川山 親指岩下ボルダー 葉月岩リップアップ6級

葉月岩というマイナーな岩が好き。人が少ないから。

小川山に来て初めてとりついたのがこの課題。
当然のごとく敗退したのだけど、今回は何度もトライしてやっと登れた。
全く美しくない。

リップとあるけど、途中においしいポケットやカチがあって、そこをうまく使うことがポイントとなるっぽい。
あと、ヒールフックしたままだとどうしても動けなくなってしまいがちなので、左足のかかりをうまく活用しないとつらい。

ラストは左足もかかりがわるく、右ヒールを凹部にガツっと置いたらあとは乗り込むのみ。これで6級すか。

クライミングは足だね!と思わされた。次はもっと美しく登りたい。

2009年8月17日

昼間の野辺山、そして八ヶ岳

週末は小川山へ。電波の通じないところで仕事に集中したいからとか言ってたら、ホントにiPhoneが死んでびっくりした。
OSレベルで再インストールして復活したけど、道中ですらメールが読めないのはさすがに緊張する。

小川山では親指岩下ボルダーのひとつ、葉月岩のリップアップ6級だけやった。この動画はまた後ほど。

日曜日の午前中には帰るつもりだったのだけど、ものすごくいい天気で、夜雨が降ったにもかかわらずボルダーたちはすっかり乾いていて、他のクライマーたちは山へ出かけて行ってた。

それでもなお、帰宅する僕。

なんかもったいない気がしたので、途中野辺山の電波天文台へ立ち寄った。

世界最大級の45m電波望遠鏡で知られる、あの天文台。
パラボラマニアからすればもうたまらない電波望遠鏡の数々。観測の仕組みを解説したパネル展示や、実際に太陽の電波を受信できる模型まで、超楽しさ満開。

そして望遠鏡越しには八ヶ岳が。
来月には赤岳に登りに行く予定なので「ほう、アレが赤岳か」と初めて目にする八ヶ岳の迫力に感動。

小川山に行くときは夜移動するので、それまでは国道141を走っていてもそこが八ヶ岳の麓だなんて全く気がつかなかった。
昼間走るのもいいもんだね。

野辺山45m電波望遠鏡
定番の45m。パネル張り替え工事中なので、真上を向いて休憩中。

野辺山
ミリ波干渉計。これをレールに乗せて干渉計同士の距離を調節することで、いろいろなタイプの干渉を測定できるんだそうな。同じのが6基ある。奥は45m。

電波望遠鏡と赤岳
ミリ波干渉計と赤岳。奥に見えるおやまが八ヶ岳の主峰、赤岳。こんどこれに登る。

巨大な機械はハートをくすぐるね。また行きたい。今度は山頂から覗いてみたい。

2009年8月12日

丸の内で見かけた二人

過去類を見ない忙しさでブログもままならない人生を送ってます。
ついったーは普通につぶやいてますけども。

常駐先が引っ越しして、丸の内から大手町になりまして、今は東京駅から毎日20分ぐらい歩いてます。いやぁ、健康的。

帰りはカメラ片手に大手町と丸の内の写真を撮ったりしてます。なので、見た目は観光客そのものだったりするのだけど、れっきとした大手町勤務の男なのです。

最近は丸の内シャトルっていう無料巡回バスを活用するようになってきて(これのすばらしさは今度話したい)、今日も常駐先のJAビルからバスで郵船ビルまで移動して、丸の内で知人と打ち合わせなんてしてきました。
いやぁ、便利。

で、丸ビルに向かう途中、郵船ビル側の歩道にたたずむサラリーマンを発見。待ち合わせにしては不自然だなーって見てたら、通りがかった別のサラリーマンに声をかけて「私○○会社の○○と申しまして、社員研修の一環として丸の内にいらっしゃる皆様と名刺交換をさせていただいております。」と。

ウワサには聞いたことがある"展示会場などでいろんな人に声をかけて名刺を交換し、ノルマを達成するまでは帰れない"という、誰が得するのかもわからない理不尽な研修。ホントにあるんだこれ。と感動した。
街中でいきなり話しかけられて「名刺下さい」なんて言ってもくれる人がいるわけもなく、暗くなったそのときまでがんばっていたんだろう。
人情から名刺を渡した人には、後日営業電話がガンガンかかることになるわけだ。

「ほんとにあるんだなー」と感動しながら丸ビルへ。KUAAINAでハンバーガーを注文してテーブルで打ち合わせしてると、隣のテーブルで熱く語る女性1名。

amazonは昔は本しか売っていなかったけど、今は成長して...
つまり、自分のグループをいかに大きくするかがポイントで...
たとえば、グループを大きくした権利って言うのは相続することができるのだけど、これは相続税の対象外なのね...
あと、大手町にあるみずほフィナンシャルセンターの最上階に...

そんな感じで、どこそこの会社はこういったビジネスをいかにして成功させてきたかを延々と語り、所謂マルチレベルマーケティングの勧誘を続ける女性が隣に。
打ち合わせもそこそこに、ずっとそっちの話を聞いてた。こういう人たちってだいたいいつも自分たちの仕事の説明は後回しにして、誰でも知ってる会社のビジネスの話を先にする。

携帯電話ビジネスとかインターネット関係とかの歴史を延々と矢継ぎ早に語り続けて、自分たちのビジネスモデルをちょっぴり話して「じゃ、そういうことなのでよろしくね!」と。
よろしくもなにも、聞き手は全く理解してないぞその話。

打ち合わせを終えてビルをでたら、例の名刺の人はいなくなっていた。ノルマ達成したんだろうか。

おもしろいな丸の内。まっすぐ帰るのはもったいないな。

2009年6月30日

三菱一号館

三菱一号館銘板

三菱地所が本気で再開発をしている丸の内エリア。総額9,500億円、期間は20年(1998〜2018年)。既に丸ビル、新丸ビル、OAZO、TOKIAが竣工して、10年の折り返しを終えた。
次の10年のスタートを切るのは丸の内パークビル。そしてその足下に復元されたのが、旧三菱一号館だ。オープンを間近に控え、関係者の内覧がひっきりなしに行われている。

なぜ今になって三菱一号館を復元したのか。考えてみる価値はあると思う。

単に建てる場所がなかったから。という考え方もできる。しかし、三菱一号館や丸の内の歴史を紐解いてみると、自ずと復元された理由が見えてくる。

丸の内は元々官有地であったところを、三菱の岩崎弥之助が150万円で買い上げ(Wikipediaより)、そこに最初に建てられた丸の内初のオフィスビルが三菱一号館だった。
今三菱は丸の内全体の再開発計画の真っ最中。丸の内で最初のオフィスビルであった三菱一号館を現代の技術で復元させ、新たなるスタートとする意味あいがあったんじゃないだろうか。
当時、三菱一号館が完成した後、周辺には煉瓦造りのオフィスビルが次々に建てられ、一丁倫敦(ロンドン)と呼ばれる街並みになったそうだ。

三菱の想いと願いがこの一角に込められているのは、今の三菱一号館を見ればすぐに感じ取ることができるだろう。
本当にすごいから。

まず、古い建物を現在の技術で復元させるというのがどれほど大変か。建築基準法の絡みもあれば、工法の衰退などで同じものが作れない場合だってある。
三菱一号館は、旧一号館が解体されたのが1968年。設計図や部材を大切に保存することで、当時と変わらない、いや、それ以上の風格をものにした。
おそらく解体時から復元する計画があったのだろうと思う。

三菱一号館の遠景はオフィシャルサイトを見てもらうとして、ここではディテールに着目してみたいと思う。

三菱一号館
※Allsizes→originalを見ることを推奨

建築の知識がある程度ある人なら、この写真でもうお腹がいっぱいになると思う。
僕自身は建築にあまり詳しいわけではないが、まず目に付いたのが銅製の雨樋(のパイプ)。
建物の縁にしっかり沿うように、ナナメにカットされ、溶接してつなげてある。
それ以外にも細部にまで彫り込まれた意匠、いくら見ても全く飽きない。

夜になると雰囲気は一変

三菱一号館

窓などから中をのぞき見ることもできる。
パークビルとの間には広場があって、昼間は近くのサラリーマンやOLが弁当を持ってきて食べたりしてるのをよく見る。

一号館広場

僕自身、今働いている会社があるビルは明治生命館で、国指定重要文化財。戦後はGHQに接収され、マッカーサーの執務室が置かれたという歴史ある建物だけど、それでも十分にモダン。
古い建物を眺め通り過ぎ、モダンな建物で仕事をするなんて、幸せ者だなぁと思っていたら、来週から大手町に引っ越す事になってしまった。

なのでもう、毎日見ることはできなくなってしまう。残念でならない。

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