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2004年7月 5日
4kg
松江泰治という人の作品集を買った。作品集と呼ぶにはあまりにも豪華で、人生そのものを転写したような、いわゆる集大成であるといえる。
松江泰治はあまり有名な人じゃない。でも実は木村伊兵衛賞を受賞していたり、世界中の美術館のプライベートコレクションになってたりと、その実力たるやすごいものがある。
恥ずかしながら、僕は彼が木村伊兵衛賞を取るまでは全然知らない写真家だった。っていうか、その当時は写真の仕事をこれっぽっちもしてなかった。
知り合いに某証券会社社長の松本大氏がいるのだけど(この場で知り合いと言っていいかどうか悩んだけど、お互い面識があるという意味で)松江氏は松本氏の旧友であるという話は意外と知られていない。というか、知ってる方がマニアック。
松本氏と松江氏は共に開成→東大というエリート街道を進んでる。
開成時代に松江氏の所属する写真部の部員が少なくなり、廃部のピンチに陥った時に松江氏は松本氏に「ちょっと入ってくれ」と頼んだんだそうだ。
松本氏が部長になり、松江氏は会計をしていたらしい。その立場が今は逆転してしまっていて、松本氏が金融系に。松江氏はプロカメラマンの道に進んでいる。
松本氏がメールマガジンの中でたった一度だけ松江泰治という名前を出して紹介したことがある。木村伊兵衛賞を受賞した時だ。
そのときになって初めて松江泰治の写真を見ることができた。脳天を思いっきり殴られたような衝撃を受けた。WEB越しで。これがもし、プリントだったら気絶してるんじゃないかと言うぐらいの衝撃。
「このカメラマンは只者じゃない」と本能がそういっていた。
偶然にも松江氏の写真にはすぐに触れることができた。
東京丸の内の某証券オフィスに立ち寄った時に、応接室に彼の写真が飾られていた。受賞の対象となったヒステリックグラマーの写真集も置かれていた。
何枚か写真を見て、すぐに本を閉じてしまった。おなかいっぱいになってしまったからだ。
それ以来松江氏の写真集を手に入れたくて、あちこちを探し回ったけど手に入らなかった。
嫁さん側の親戚の集まりで東京に立ち寄る1ヶ月前に「写真集発売記念写真展」が行われていたことを知った。
そして忘れかけた先日、ついにその写真集が発売されているという話を噂で聞きつけ(っていうか、自分で調べろよと)速攻で入手した。
超豪華製本。印刷技術もヨダレもの。表紙にはアルミ板が貼られていて、その重量は4kg超。片手で持とうとすれば落としそうになる。
今朝届いた。勝手に注文していたことについて怒り狂う嫁さんを尻目に、ちょっと見てみた。
松江の世界はその辺のランドスケープフォトグラフとは一線を画してる。またも少し見ておなかいっぱいになってしまった。
自分の撮っている写真なんてタダのママゴトみたいに感じてしまう。
超弩級貧乏な時期にとんでもない買い物をしてしまったわけだけど、自分の中で何かが変わるきっかけを与えてくれた。
うちに来たら見られますよ。見せませんけど。家宝にするんだもん。
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